ハマナスかハマナシか(番外編)その1


 第四話 「ハマナスかハマナシか」をアップしたところ、掲示板に思わぬ反響が返ってきました。皆さん大いに「ハマナスとハマナシの謎」にのめりこんで下さって、新たな情報が寄せられてきたのです。「梨」「茄子」について、江戸時代の本草書について、牧野博士について、ツュンベリーやシーボルトについて、そしてハマナスの方言について、興味深いことが次々と寄せられてきました。野の花ガーデンののんのんさんにも第四話のことをお知らせしたところ、のんのんさんのBBSでも同様の話題が展開することとなり、ふたつの掲示板で入り乱れて同じテーマが語られることとなりました。
 そこには、あまりに興味深く貴重な情報や意見がたくさん寄せられたので、掲示板だけのこととしてこのまま流してしまうにはあまりに惜しいと思えてきました。私としても「ハマナスかハマナシか」パートⅡを考えざるを得なくなりました。

 でも、この「ルゴサな話」はバラやハマナスに詳しくない方でも読めることを意識して始めたわけですから、そのパートⅡをやさしく読みやすく書くことはかなり難しいことのように思われます。その他にも、書き上げるためには情報の裏付けを取ったり、補足情報を集めたりで時間や精力を費やしそうな雰囲気です。
 そこで、またもや例の手法を使うこととしました。つまり、掲示板ごとコンテンツにしてしまうという強引技です。話は入り乱れ話は前後して、とても読みやすいスタイルではありませんが、情報の保存方法としてはベストかなと考えております。
 まあ、読めるもんなら読んでみろ、というほどカルトな内容となっております。興味のある方は心して挑戦してください。ただし、内容は掲示板のままですからすべて正しい情報とは限りません。明らかな間違いは訂正してありますが、話の成り行きでの間違いや勘違いなども含まれていることをご承知おきください。全部掲載するとかなりの長さになります。そこで話題と直接関係ないところはできるだけカットしています。出演者の方はご了承ください。
 
 
potatoの掲示板より
 さて、最初は何気なく始まりました。はるまきさんが言う白井光太郎著述の『植物渡來考』「ラウザイバラ 漢名未詳」、「ハククワマイクワイ(香雪) 漢名白花マイカイ」は私もよだれたら~りの具材ですが、第何話になるか分かりませんが、「ハマナスと玫瑰」を予定してますのできっとそのとき大活躍することでしょう。しかしこの話題を盛り上げてくれたのは紛れもなくsecond roseさんの入れ込みようでした。
ルゴサな話 投稿者:potato 投稿日:2006/02/11(Sat) 21:24 No.2073  
第三話、第四話アップしました。
http://potato50.cool.ne.jp/TalkRugosa/TalkRugosa.html
明日は一日出かけてしまいますので、昨日と今日で二つ作りました。
第五話以降も予告しました。
がんばらなければ・・・



Re: ルゴサな話 まこぷー - 2006/02/12(Sun) 09:49 No.2074  

こんにちは。
初めてカキコさせていただきます。
第四話も楽しく読ませていただきました。
私も「梨」説には違和感を覚えておりました。
「ハマナシ」が正式名称だったとして、訛りで「ハマナス」と呼んだものが世間一般に広まってしまうほど東北、北陸が中央に対して影響力があったとは思えません。
そもそも、東北人として言わせてもらえば、「し」を訛って「す」と発音しているのか、もともと「す」なのか感覚的に聞分けられます(笑)
ですから、訛って「ナシ」が「ナス」になったというのは腑に落ちません。

仙台市野草園の名誉園長さん、熱いですね。
東北の地からビッグネーム相手に戦う姿は、アテルイ(坂上田村麻呂率いる朝廷軍と戦った蝦夷の指導者)を思わせます。



Re: ルゴサな話 plum - 2006/02/12(Sun) 09:55 No.2075  

potatoさん、まこぷーさん、おはようございます。私も読みましたよ~
どれもおもしろいです。わかりやすくて。
私は歴史が好きなので、「世界へ伝えた人たち」が特に興味あります。
ハマナスは生きたままでは伝わらなくて、結局実が伝わったのでしょうか?
「日本植物販売目録」は苗なのですか?それとも実?
ほかの日本のバラもどのようにヨーロッパに伝わったのか、
もっと知りたいのですが、むずかしくてなかなか・・

Rosa kamtchatica はdavuricaとの交雑という話もあるようですが、どうなのでしょう??
ハマナスって「本草図譜」にはなかったような・・
それが不思議だなあって前から思ってました。
実では載ってたかもしれませんが、まだ詳しく見ていません。
「秘伝花鏡啓蒙」にはマイカイがあるんですね。
「秘伝花鏡」にはマイカイが載っているんですか?
ああややこしい^^;質問攻めですみません・・



Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/13(Mon) 08:05 No.2080  

いらっしゃいませ、まこぷーさん
読んでいただいてありがとうございます。
このハマナシのことは、ルゴサ関連をやり始めてからひっかっかっていたテーマでした。
ハマナスで検索するとほとんどのところで牧野ハマナシ説を書いています。
最初はそんなものかと思っていましたが、あまりに盲目的にただそれを信じているだけという感じがして待てよと思ったわけです。
いろいろ調べてみましたが決定的なことが出てきませんでした。(予想通り)
管野先生はとてもいいですね。
まこぷーさんは東北の方でしたか。
ちょうど東北人の意見を聞いてみたかったところでした。



Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/13(Mon) 08:21 No.2081  

plumさん、おはようございます

ハマナスはシーボルトがヨーロッパへ持ち込んだと思います。
「日本植物販売目録」にハマナスが登場した年はシーボルトが日本から帰って27年後のことです。
生きた木を持ち込んだのか種から作ったのかはわかりませんが、生きた植物を船で運ぶ技術の発達と関係があるかもしれませんね。

>Rosa kamtchatica はdavuricaとの交雑という話もあるようですが、どうなのでしょう??
確かにそういう話はありますね。
ただ、Rosa davurica(ヤマハマナス)はカラフトイバラと同一と言われたりして(本当は別物です)、なかなか難しいですね。
カラフトイバラとの交雑も考えられますしね。
遺伝子解析でもしてみないとわかりませんね。

>ハマナスって「本草図譜」にはなかったような・・
そうなんですか、まだ確認してませんでした。
マイカイ(ハマナス)という場合、日本のハマナスではなくて中国のマイカイをさしているような気がします。
>「秘伝花鏡」にはマイカイが載っているんですか?
「秘伝花鏡」はもともと中国の書物で、マイカイが載っています。
この説明は第四話の(注)に書いてあります。
http://potato50.cool.ne.jp/TalkRugosa/C_4.html



長~いです (^^; はるまき - 2006/02/13(Mon) 11:35 No.2084  

こんにちは>potatoさん
「ルゴサな話」、拝読させていただいてます。
興味尽きない話題にドッキドキ。愛読者の一人になっております (^^)/

ハマナスかハマナシかどちらなのか……この事はトンとわかりません。
ハマナシを使い続けるのは、その方にとっての「正しい」呼び名なのでしょう。
幼い頃に秋田県海岸沿いにある祖母の家で、夏休みは過ごしておりましたから、
「ハマナシはないだろぅ~ (^^;」って印象ですが。

さて、その祖母の家で育った母は、子供の頃にハマナスの花弁を集めて
それを売って小遣いにしていたそうです。口紅の色素がとれるのですね。
それから駅前の露天には、お盆の飾りとしてハマナスの実を糸に通して
数珠にしたものを売っていました。

アイヌの方達はハマナスの実を食用にしていたと読んだことがあって、
実際ハマナスの実を囓ってみましたが、全く滋味を感じず、もっさりした
舌触りに、飲み込むことができませんでした。それから根っこは八丈縞の
染料として古くから使われたそうですね。

実体験+伝承を挙げてみると、ハマナスって実や根を利用していることが
多くて、庭園植物に足らんかったのではなかろうかとの思いが強くなります。

白井光太郎著述の『植物渡來考』の昭和4年発行版が手元にあります。
(この本もっと近世に別バージョンが発行されているので、もしかしたら
そちらには改訂後の別の逸話があるかもしれませんが……)

その本にはハマナスのことは直接項目に挙げられていません。ま、当然ですね。
「ラウザイバラ 漢名未詳」について下記のような記述があります。
>>大和本草批正に其状花葉ともにハマナスト一般にして花に香氣なきを
>>異とすとあり是今日の西洋ハマナスならん」
つまり、「ラウザイバラ」は欧州で品種改良されたハイブリット・ルゴサ
この本の中では指しているようです。


               ・・・・(↓漢字で書いてある)
「ハククワマイクワイ(香雪) 漢名白花マイカイ」については
はっきりと「支那原産」と明記しています。その日本への伝来について
明治23年長春園主人のから伝わる逸話を紹介しています。長いので
そのまま引用するのははばかれるます。要約すると、「文政の頃に
清国から輸入されたことがあって、今日でいうところの白黄、峰○雪が
ソレである」。さらに「白花マイカイについて文恭公が『花香頗る佳美なる
ことを聞賜ひて文化年間に之を清國より索得られたりし』とありました。

この二つの逸話が事実とするならば、文化元年(1804)から文政13年
(1830)の間に複数回、白花のマイカイが清国から輸入されていたと
推測することができないでしょうか?

ソレよりも百年前に出版された『花壇地錦抄』には「はまなす夏末 
花こいむらさき、一重、大りん」と書いてあり、白花ハマナスの記述は
ありません。その頃は輸入されていなかったのかなぁ?マイカイって
記述、もっと古い文献に出てきていましたっけ?

さて、長くなってしまいましたが、もうちょっとおつき合いを (^^)/
わたしが目論んでいる部分として、(中国経由らしい)マイカイは、
花や香りを楽しむ「雅」な利用が強く、異国の珍しい植物として
評価されたと……日本自生のハマナスは、どーもその路線に乗れていな
かったのかなぁ、なんて思いめぐらせています。

「文恭公が『花香頗る佳美なる」の「頗る」な所も気になります。
ハマナスって香りがあったけれど、それは例えば梅なんかに比べたら
「頗る」には足りないと思うのです。中国ではマイカイの香りを、
茶や油に移して愉しんでいたようですし、花弁の多い花を尊ぶ嗜好が
ありました……謎深いです。



Re: ルゴサな話 second rose - 2006/02/13(Mon) 12:48 No.2085  

potatoさん、皆さん。おはようございます。「ルゴサな話」四話は、興味深い話です。私はハマナスだと信じていたので、牧野博士のハマナシ説は驚きです。
南の方では、ハマナスじゃないのだろうか?
確か昔鳥取の白兎神社を訪れた時、ハマナス南限と書いてあったと思います。その当時は、まだ興味がなかったので、ハマナスを見ませんでした。今考えると悔やまれます。
はるまきさんがアイヌの方の話をされましたが、ハマナスをアイヌの方はマウまたはマウニと読んでいたことを最近知りました。それもいいなあと思ったりします。
以前調べものしていて見つけてたHPです。ハマナスの方言が幾つかのっています。たぶんご存知だと思いますが。とりあえず。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/tsuri/



Re: 長~いです (^^;  potato - 2006/02/13(Mon) 22:19 No.2089  

あはは、ほんと長~いですね(^O^;)

>実体験+伝承を挙げてみると、ハマナスって実や根を利用していることが多くて、庭園植物に足らんかったのではなかろうかとの思いが強くなります。

もしそうだとすると、薬草園関連に記録が残っていそうなのですが、どこかに古い記録はないものでしょうかね?
ネットではもうちょっと限界です。

>つまり、「ラウザイバラ」は欧州で品種改良されたハイブリット・ルゴサを指しているようです。

これは興味深いですね。自然交雑種としてのハイブリッド・ルゴサというのならわかるのですが。
私の知る限り人の手によって交配されたハイブリッドルゴサはマダム・ジョルジュ・ブリュアン(1887)だと思っています。
ラウザイバラはそれよりはるかに古いですよね。
花壇地錦抄(1695)にすでに「らうざ」が出ていますから、ツュンベリーが日本に来る前です。
ますます「らうざ」の謎に興味がわいてきました。

>『花壇地錦抄』には「はまなす夏末 花こいむらさき、一重、大りん」と書いてあり、白花ハマナスの記述はありません。その頃は輸入されていなかったのかなぁ?マイカイって記述、もっと古い文献に出てきていましたっけ?

なはは(^^;この辺は次の話のネタですねん。
「らうざはまなすは薬用に用う」もこりゃなんじゃです。
今のところ花壇地錦抄がマイカイもハマナスも一番古いみたいです。
「花壇綱目」(1681)ではバラは「長春」のみだそうです。

>日本自生のハマナスは、どーもその路線に乗れていなかったのかなぁ、なんて思いめぐらせています。

そうなんです。そうとしか思えないことだらけです。
乗れなかったというより、現地では邪魔なものとして忌み嫌われていたのではないかとさえ思えてきます。
その反面、「マイカイ」や謎の「らうざ」はもてはやされたのか?

>「頗る」には足りないと思うのです。弁の多い花を尊ぶ嗜好がありました……謎深いです。

ハマナスは梅や桜のように一気に咲かないのが原因かもしれません。一つ一つは強く香ると思います。
中国人の八重好きですが、ナチュラリストの荻巣樹徳さんも「幻の植物を追って」の中で中国人は一重のバラには見向きもしないと書いていました。

写真は最初のハイブリッド・ルゴサ?、マダム・ジョルジュ・ブリュアンです。



Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/13(Mon) 22:42 No.2090  

second roseさん、こんばんは
>南の方では、ハマナスじゃないのだろうか?
いえいえ、北のほうでもハマナスですよ。
「ハマナシ」とのたまうのはバラや植物の専門家ばかり、それに最近はバラを趣味とたしなむ方も「ハマナシ」という方が多くなってきました。
私としては「意地でもハマナス」にだんだんなってきてしまいました(笑)

>確か昔鳥取の白兎神社を訪れた時、ハマナス南限と書いてあったと思います。

確か県の重要文化財とかになっていますよね。

>ハマナスをアイヌの方はマウまたはマウニと読んでいたことを最近知りました。

うはは、これも今後の話のネタですねん(^^;
アイヌとハマナスはこれまた密接な関係があったようです。
東北や北陸、山陰などで嫌われ者だったかもしれないハマナスが、蝦夷地では違った扱いを受けていたかもしれませんね。

>ハマナスの方言が幾つかのっています。
お~!ありがとうございます。これは非常に重要な情報です。
東北、長野でも違った呼び方があったのですね。
ハナタチバナは何かに出ていました。
アイヌ語は、厳密に言えば「マウ」はハマナスの実で「マウニ」はハマナスの茎なのだそうです。


 さて、私が第四話でトマトの別名「アカナス説」を持ち出しましたが、「アカナス」には本当のナスにもあることが分かってきました。アカナスからのアプローチ再び?

ぴぴんさんから茄子の話
ナス科。 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/16(Thu) 09:05 No.2101  

potatoさん、こんにちは。
ナスの話に参加しにきました。

わたしは、ひとりの先生が何か言ったとしても従わない、というだけの理由で「ハマナス」支持ですが、
のんのんさんの、
>「熟シテ紅色、故ニハマナスノ名を得、」
を読んで、「ほ~」と思いました。

ホウズキ、トウガラシ、ヤマホロシ、potatoなど、
ナス科の植物の実は、熟すと赤くなりますよね。
食用ナスは紫色の段階で食べますが、あれも放置すると黄色系に変わって来ます。
五色トウガラシなんかも、白からオレンジに変わる途中に、紫色が出ますね。

ナスはインド原産、漢名「茄子」がそのまま使われ、
平安時代の「和名類聚抄」(「和名抄」)には、既に名が載っているそうです。

原本に当たっていませんので、確証はありませんが、
あの樹勢と葉で、赤くて丸い実を見て、
「梨みたい」と思うよりも、「茄子みたい」と思う方が、自然かなと思いました。

全然学術的でなくて済みません。ホビットは勘で生きてるものですから...
植物写真も無くて。全然関係なく「猫の積み木」です。



追伸。 ぴぴん - 2006/02/16(Thu) 09:21 No.2102  

以前、のんのんさんの、「赤毛のアン」のバラのところで、バラの実を「rose berry」とも呼ぶのを知ったのですが、
ナス(eggplant)の実のことは、基本的に「berry」と呼ぶようです。

だからって、日本語の「ナス」説の強化にはなりませんが...



Re: ナス科。 potato - 2006/02/16(Thu) 20:23 No.2109  

>ホウズキ、トウガラシ、ヤマホロシ、potatoなど、ナス科の植物の実は、熟すと赤くなりますよね。
な~るほど!そういえばそうですね。
わたし(potato)は酒を飲むと赤くなります(^^;)☆\バキ
確かに茄子やトウガラシにもいろんな色のものがありますね。
でも赤い茄子はあったのか?

>平安時代の「和名類聚抄」(「和名抄」)には、既に名が載っているそうです。
そうなんですか、茄子は梨に負けないほど古いんですね。
きっと中国経由で入ったものでしょうね。
一方、梨も日本原産といっていいほど古い果樹らしいですよ。

ぴぴんさんのおかげでなんとなく元気が出てきました。
でも、牧野博士は日本が生んだ大植物学者ですし、決してその仕事や人物の悪口を言っているわけではありませんので、そのへんよろしくです。



赤いというだけなら... ぴぴん - 2006/02/16(Thu) 21:41 No.2111  

赤い茄子は、世に存在はするのですね。

拓殖大のHP内で、
「東南アジアの市場で、紫、緑、青、白、赤、黄色とビックリする程、色とりどりのナスが竹ザルに山盛りされ」とあります。

同じページに、食用ナスのことと思われますが、
「江戸時代の農業全書(宮崎安貞 1697年)に」「当時のナスの種類として、色では紫、白、青の三種」ともあります。
http://www.takushoku-hc.ac.jp/soma/soma1.htm

食用でも、トマトでもない、「赤茄子」というのもあるそうです。現在、生け花では使われているようですね。
http://www.botanic.jp/plants-ha/hirana.htm

けれども、いつから日本にあるのかは、不明です...
そこが判ればなぁ...と、思います。

♪ ♪ ♪

potatoさんが、悪口言ってるとは全然思ってませんし、
わたしの言っているのも全然悪口ではありません。
省略

をを! めずらしくホビットらしからぬ発言...
どうしてこんなとこで熱くなるかなぁ~~~ ~_~;)
悪い指輪にでも触ったのか?



Re: ナス科。 potato - 2006/02/17(Fri) 21:16 No.2119  

最近のナスの種類はすごいですね。
去年、ブリティッシュシードからカタログを取り寄せたのですよ。
それにナスがたくさん出ていて、色とりどりで縞模様のもありましたよ。

>食用でも、トマトでもない、「赤茄子」というのもあるそうです。現在、生け花では使われているようですね。

あ、これかぁ!
いえねアカナスについて調べているときに、台木に使うアカナスのことがいっぱい出てきたのですがどんなナスかとおもっていました。
きっとこれですね。まさにハマナスっぽいですね。
ん?second roseさんの言う「はまなすというなす」にも近いのかな?



 さて、下のスレッド、のんのんさんから方言の話です。この頃、のんのんさんの掲示板にも第四話のことをお知らせしていました。江戸時代の本草書はすでにみなハマナスになっていて、この時点ですでにハマナスという言葉は全国区になっていたと言わざるを得ません。ハマナスかハマナシかの語源を探るには、もっと昔の自生地でハマナスの方言が重要なヒントになると私は考えていました。しかし私は実質何も調べてはいませんでした。ところが、さすがのんのんさん、すごい本を読んでいました。 

 そして、茄子と梨を掘り下げていくと?second roseさんの「茄子は熱帯の植物で、日本において品種改良によって北限を延ばしたらしいので、昔から東北で栽培されていた可能性は低いでしょう」という言葉が暗示的に響きます。


ルゴサな話 投稿者:のんのん 投稿日:2006/02/16(Thu) 08:07 No.2098  

ルゴサな話、読ませていただきました、すばらしいですね。楽しそうです~掲示板も楽しく盛り上がってますね。
バラの話は、わくわくします。
私も気になることがあって、今日は図書館でいろいろ調べて楽しんできました。

それで、potatoさん、茄子より梨のほうが正統なんですか?
私が見た中国の薬草関係の本では、すべて茄子訳でした。
そんな中で、「日本薬草全書」/新日本法規には、
和名、ハマナス、漢名 浜茄子、中国名 玫瑰、
別名および経方言、はまなし(浜梨)となっていました。
これ以外は、特に説明もなく、茄子が主流という感じでした。

飯沼慾斎の『草木図説』なんかには、さらりと「熟シテ紅色、故ニハマナスノ名を得、」と書かれています。
赤いと、どうしてはまなすになるのかな???
東北のナスは赤いの?

それで、東北の方言で茄子と梨はどうなっているのかなと「日本方言辞典」を見てみました。
そもそも、最初に玫瑰にはまなすとふった時、その名を誰に聞いたのでしょうね。
何県の方言を調べたらいいのでしょう。

梨を、〈なす〉というのは、八戸、岩手、会津くらいで、宮城でキナスというくらいでした。あんまりメジャーではないようですね。
一方で、茄子を〈なし〉というのも、多くはありませんね。
礼文でナシンビ、弘前でナシ、おなじく安代、秋田、河辺、山形、といくらかありましたが少ないです、どこもきちんと梨はナシ、茄子はなすかなすびと言っています。

うーん、最初に本草家がどこのルゴサを見て「これは何か?」と聞いたか、が問題ですね。
ツュンベリーは、ラマナスと聞いてるでしょう?シーポルトはハマナシと聞いている。同じものが名前が違うのはどこでもありますね。
伊藤圭介の本には、
「玫瑰、和名をはまなすと云陸奥の浜辺に多し」とか「越州蒲原郡○川ノ川原砂上甚多産ス此土ノ方言濱ナスト云フ」などと書かれています。
この地方の人は利用していたのでしょうか、昔は利用する植物に名前がついてたと思うので、きっと使っていたのでしょうね。

あーーなぜ赤いと茄子と名づくのか、、、気になります。

添付は、今日読んだ『中国本草図録』、の中の玫瑰です。なんと一重です。しっかりとハマナスとふられています。



Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/16(Thu) 08:09 No.2099  

ルゴサな話、読んでいただいてありがとうございました。
>それで、potatoさん、茄子より梨のほうが正統なんですか?
掲示板のほうにも書きましたが、バラの専門家のほとんどが「ハマナシ」を支持していますね。
本草書などは今のところすべて「ハマナス」です。

>私が見た中国の薬草関係の本では、すべて茄子訳でした。
なるほど、こちらは牧野博士の威光が届いていないというわけですね。

>飯沼慾斎の『草木図説』なんかには、さらりと「熟シテ紅色、故ニハマナスノ名を得、」と書かれています。
>赤いと、どうしてはまなすになるのかな???
ほほ~、赤いからはまなすというのは初めて見る説ですね。

>そもそも、最初に瑰にはまなすとふった時、その名を誰に聞いたのでしょうね。
これが謎なのですよ、中国の「玫瑰」と日本の方言「はまなす」はどこでくっついたのでしょう。

>伊藤圭介の本には、
>「玫瑰、和名をはまなすと云陸奥の浜辺に多し」とか「越州蒲原郡○川ノ川原砂上甚多産ス此土ノ方言濱ナスト云フ」などと書かれています。
伊藤圭介はシーボルトに師事していますよね。
シーボルトはハマナシになったのはなぜでしょう?
でもこの発言は貴重です。やっと土地の方言で「はまなす」という記述に出会いました。
「越州蒲原郡」はどこでしょうね?

>添付は、今日読んだ『中国本草図録』、の中の攻瑰です。なんと一重です。しっかりとハマナスとふられています。

なんと、一重のマイカイですか~!!こんなのあるんですね。
でもこれはハマナス(Rosa rugosa)じゃありませんね。
ほんとうにマイカイの一重かもしれませんね。

ハマナスとマイカイについては私も書こうと思っているのですが、なかなか頭がまとまりません。
奥が深すぎます。
また情報を見つけたら教えてください。



Re: ルゴサな話 まこぷー - 2006/02/16(Thu) 23:40 No.2112  

>「越州蒲原郡」はどこでしょうね?

越州は、越前、越中、越後をさします。
福井から新潟あたりまでですね。
蒲原郡は新潟県北部になるのではないかと思います。
現在でも東蒲原郡、西蒲原郡、南蒲原郡、北蒲原郡の地名があります。



Re: ルゴサな話 second rose - 2006/02/17(Fri) 01:14 No.2113  

こんばんは。発見。新潟県南蒲原郡田上町に、はまなすというなすがあります。
http://home.n00.itscom.net/hasegawa/
新潟県南蒲原郡田上町の方言のはの中にあります。白と赤があるそうな。写真は無いけど、掲示板があるから管理人さんに聞けるかも。



Re: ルゴサな話 ぴぴん - 2006/02/17(Fri) 19:07 No.2118  

まこぷーさん、second roseさん、初めまして。

はまなすというなすがあるのですね! まさか、という感じで、驚きました。
昔っからあったのですかね~。

potatoさん、昨日は、おっちょこちょいが気炎を吐いていて、すみませんでした。
それぞれが大事にするところを大事にするのがよいですね。
今後はホビットらしく、謎解きの楽しみに徹したいと思います。 <(__)>



Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/17(Fri) 21:34 No.2120  

まこぷーさん
>越州は、越前、越中、越後をさします。
ありがとうございます。
よく調べないうちに質問を発してしまいました。
なにやらこのあたりは面白そうになってきましたね。

second roseさん
>こんばんは。発見。新潟県南蒲原郡田上町に、はまなすというなすがあります。
見つけました。いや~、びっくりです。
食用でないところと実の大きさがぴぴんさんの言うアカナスに似ていますね。
ほんとうに聞いてみようかな。
実を言うと江戸時代初期に中国を介して入ってきた「サンゴジュナスビ(唐柿)」も実が小さくて赤くて観賞用でした。
同じものなのでしょうか?
でもサンゴジュナスビはトマトですがね。
さて、これらのナスはいつ頃から日本にあるのでしょうね。
それが大問題です。

ぴぴんさん
ホビットもたまには火を吐くということで・・・(笑)
>批判の対象があるとすれば、先生がそう言ってるからと、思考停止して呑み込んでしまう姿勢です。
>それでは「牧野先生」も不幸ではないかな。
その意見、賛成です。

ところであの平茄子は本当にナスなのですね。
葉っぱ見ればそうですよね。
接木のナスを買ってきて台木を育てたら出てくるということかな?



Re: ルゴサな話 second rose - 2006/02/18(Sat) 13:28 No.2132  

ぴぴんさん、まこぷーさん、potatoさんこんにちは。
私もびっくりです。のんのんさんやまこぷーさんの調べた土地と同じなのでまたびっくりです。皆さんのお話でびっくりしすぎです。
ぴぴんさん
茄子に棘が出ることは、良くあります。水切れが続くと棘だらけの葉や茎を持つ枝が出ます。先祖がえりかもと思ったりします。
しかしナシ論は、強力です。
仮にこう聞かれたとすると。
浜茄子は、茄子と梨どちらに近い?
梨です。梨はバラ目バラ科梨属。茄子ナス目ナス科ナス属
茄子と梨どちらが古い?
梨です。万葉集にも乗っています。弥生時代の遺跡から種が見つかっています。食用にされていたらしい。
茄子は熱帯の植物で、日本において品種改良によって北限を延ばしたらしいので、昔から東北で栽培されていた可能性は低いでしょう。
これでも茄子説を唱えるかと聞かれれば、えーんごめなさい。もう楯突きません。か、それでも浜茄子ですと言うかしかない。potatoさん本当に凄いことをやっていますね。
私は、浜茄子派ですが。potatoさんの次の矢に期待。
potatoさん韓国語や満州語で浜茄子は、なんというのでしょうか?
今韓国語で茄子の事をカジということ。柿と茄子の関係が気になります。


Re: ルゴサな話 potato - 2006/02/18(Sat) 16:36 No.2133  

あはは、second roseさん、ご心配ありがとうございます。
私はハマナスとハマナシの勝ち負けにこだわっているわけではありません。
わたしはひとつの植物をめぐって、いろんな謎やドラマが展開されてきた経緯に興味があるのです。
どんな結論だろうと私はハマナスと呼ぶことを変えないだろうと思います。

梨は起源がわからないほど日本では古い果樹だということは承知しています。
ハマナスという植物はおそらく梨に負けないくらい古くから日本にあったものだと思います。
そんな昔から全国の自生地で、ハマナスあるいはハマナシと同一の呼び方だったかというと、そんなことはありえません。
各地方ではそれぞれの方言で呼んでいたはずです。

それが現在のようなハマナスに統一してしまったのは、いつで誰でしょうか?
江戸時代の草本家が東北のある地域の方言を採用して広めたのでしょうか?
もちろんその可能性は少なくないと思います。
「浜梨」だった可能性も否定できることではありません。
しかし、その言葉が東北で生まれた確証はどこにあるのでしょう?
この言葉の発生地がもっと暖地だったら?
まだ十分に「浜茄子」にだって分はあるのです。

ところで本草書で最初に「はまなす」という語が登場するのが1690年の花壇地錦抄です。
江戸時代の本草書のほとんどは中国のマイカイをさしてハマナスといっているように思えます。
牧野博士も引き合いに出している「秘伝花鏡啓蒙」には「・・・朱色ニシテ形茄子ノ如クナリ故ニ浜茄子ト云エリ」とあるのだそうです。
これは元々は中国の「秘伝花鏡」という本草書を翻訳したものです。
この部分は小野蘭山が加筆したものでしょうか?それとももともと中国の書にあった言葉でしょうか?
わたしはハマナスという言葉がこの中国の書を元に江戸時代の本草家が生み出した名前ではないかという説もありえないことではないと思ったのです。
この説を否定するためには、江戸以前にハマナスあるいはハマナシと呼んでいた地域があったかどうかを見つけ出さなくてはなりません。
どうです?おもしろいでしょう?
いろんな可能性を探してゆくとだんだんエキサイティングになっていきますね。
何か混ぜっ返しているようですが疑問は疑問として持ち続けているといつか解決の日が来るかもしれません。


 ここで、掲示板が思わぬアクシデントにあって、ログは過去ログにかろうじて残った状態となりました。したがって文字色は青一色で画像はありません。

 それではもっとからアプローチ。これはのんのんさんのサイトと連結してます。

[2129] 「悪茄子」&「刺梨」 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/18(Sat) 08:33

potatoさん、こんにちは。

「ナス」説を強化すべく、「茄子には刺がある」ことの、良い例を探していました。
刺の無いナス科もあるようですが、鋭い刺を持つものも。
「牧野先生」が名付け親らしい、「ワルナスビ」です。
http://p2222.nsk.ne.jp/~mizuaoi/71warunasubi.htm

ところが、ついでに「刺」「梨」で検索したら、「トゲナシ」が引っかかってきました。
http://www.met21.co.jp/specialgoods/cili.htm

「刺梨(RoseRoxburghisTratt)はバラ科バラ属の野生植物」
「中国貴州省は刺梨の主要産地である。」

中国語サイトでも製品として、「刺梨」の記述が出て来ます。
う~ん、これは一体いつから「刺梨」名なのでしょう?商品化以前から?

いよいよ写真が無いです。ぶた型肉まん「こぶたまん」。

[Res: 2129] のんのんさんのところで、 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/18(Sat) 09:47
いま、のんのんさんのBBSへ行ったら、
「Rosa roxburghii Tratt.イザヨイバラの漢名」の記述が!
なるほど、漢名ではバラに「梨」の字を当てることがあるのですね...
[Res: 2129] Re: 「悪茄子」&「刺梨」 投稿者:potato 投稿日:2006/02/19(Sun) 09:26
ぴぴんさん、おはようございます。
レスが遅れてすいません。
>「牧野先生」が名付け親らしい、「ワルナスビ」です。
面白いですね。
普通のナスもヘタの部分にトゲがあります。

>「刺梨(RoseRoxburghisTratt)はバラ科バラ属の野生植物」
バラが梨にたとえられているいい例ですね。
色や形はまさに梨といってもいいでしょうね。
これなら納得です。
>「Rosa roxburghii Tratt.イザヨイバラの漢名」の記述が!
見てきましたよ~!
いろいろ出てきて面白いですね。


 さてここで、私はこの一連のスレッドをコンテンツにすることを考えました。これだけの情報をこのまま流してしまうのは惜しくなったのです。そして、ここまできたらこれを参考に「ハマナスかハマナシか」のパートⅡを書かざるを得ないと言う気持ちになってきました。
 ここでこの話題はいったん打ち切ろうと思いましたが、しかししかし、まだまだ情報は入ってきます。それにしてもsecond roseさん、調べまくりましたね。


[2140] 皆さんにお願いがあります。 投稿者:potato 投稿日:2006/02/19(Sun) 10:01

ハマナス、ハマナシ談義も皆さんのおかげでたくさんの情報が集まりました。
本当にありがとうございます。
皆さんの情報を元に、「ハマナスかハマナシか」の第2弾を書くべきか悩んでおりました。
「ルゴサな話」はバラに興味があってもハマナスまで興味が向かない人のために、楽しくエピソードなどを語ろうと始めたものです。
しかし、ここまで話が深くなると当初の趣旨から外れてしまいそうです。
そこで、「番外編」としてこの掲示板をそのままコンテンツにしようと思います。

中略

つきましては出演している皆様の了解を得たいと思います。
後略

[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:はるまき 投稿日:2006/02/19(Sun) 12:44
こんにちは>potatoさん
はるまきです (^^)/

ご提案、読ませていただきました。
potatoさんの掲示板へいい加減な気持ちで書き込みんだことはありませんが、
いずれログが流れていくのではないとなると、ちょっと加筆していただきたい箇所があります。

後略
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/19(Sun) 13:23
前略

それと、リクエストなのですが、
情報が細かくなって来ているので、
国別、年代順の、図表があったらいいな~なんて...思っていました。
どうでしょう?
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:plum 投稿日:2006/02/19(Sun) 20:48
前略

わかりました。私はOKです~たったひと言だけだったけど。
たしかにこれだけのことまとめるのは大変なことですよね。potatoさんのアイディアさすが~
今後の新たなエピソード編も楽しみにしています。
   後略
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:まこぷー 投稿日:2006/02/19(Sun) 22:03
potatoさん、みなさん、こんばんは。
わたしもOKです。

江戸時代に有力大名の間で博物学的な図譜の製作が流行ったときに、ハマナスの分布域の大名(加賀藩とか伊達藩とか)が作った図譜が地元に残っていないんでしょうかね~。
そういう図譜があれば、載ってそうですけどね。
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:のんのん 投稿日:2006/02/20(Mon) 08:24
potatoさん、私は思いつくまま確認せずに書いていたので、
大幅修正をお願いします。

後略
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:second rose 投稿日:2006/02/20(Mon) 10:04
potatoさん。了解しました。
そちらに書き込んだ時点で、著作権は放棄していますのでお任せします。
最後に昨日調べて判ったことをお加えてください。日韓辞典でハングル文字を調べて、韓日辞典で調べると海棠花、はまなすと出てきたことです。
韓国では浜茄子を海棠の一種と考えているのかもしれません。ちなみに海棠の別名は海棠梨です。
またマイカイ茶は、東洋医学の中でも新しく清時代に始まったようです。古い医書に見られないので漢民族のものでなく、他から入ったものだと考えられます。
浜茄子論を強化するのは、皆さんがやられているように、方言からの証明だと思います。これはかなり大変な作業だと思います。ここで水入れは、正しいかなと思っています。
まあぼちぼちと調べましょう。
たぶんpotatoさんは、ご存知だと思いますが、シーボルト日本植物誌の源本が見たいという方こちらへhttp://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/minds.html
貴重資料画像→博物学の時代→日本植物誌
大和本草及び花譜はこちらへ。文語体なので私も読めなくて苦労しています。
http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/
追加項目です。
ヘダンファと発音するようです。
花に注目どう見ても浜茄子だ。
http://love-seoul.77jp.com/log/eid145.html
中国の花物語に浜茄子と海棠の混乱が乗っているらしいです。
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0141-d/
訂正海棠梨は花海棠の別名ではなく、実海棠でした。お詫びします。
またまた追加です。仕事の合間ちょろちょろとやっていたら。とんでもないものを見つけました。ちゃんと仕事しろな。汗
シーボルトの21世紀
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2003Siebold21/index.html
シーボルトの21世紀」展 展示品一覧へ
シーボルト採集標本にハマナスがあります。29-23
逆さまですが標本の墨にはっきりとハマナスと書いてあります。
本として出す時に、ハマナシになったらしいです。
[Res: 2140] 驚きました! 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/20(Mon) 18:11
最近、second roseさん情報に、驚き通しです。
ほんとですね、「ハマナス」ですね。日本人の手ですね。
どうして「si」になったのでしょう?
「ナシ」バージョンの標本もあるのでしょうか?

謎また謎だわ~!
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:はるまき 投稿日:2006/02/20(Mon) 20:25
こんばんは (^^)/

second roseさん、シーボルトの標本画像、よくぞ見つけ出してくださいました。
わたし、こういうの見るとワクワクします。
もしも東京に住んでいたら、東大総合研究博物館へ明日にでも出向いてしまいたいです (^^)/
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:薄荷 投稿日:2006/02/20(Mon) 20:35
わぁ~、second roseさん、
逆さまになっていた文字をよく見られましたね~
素晴らしいです!

>本として出す時に、ハマナシになったらしいです。

と言うか、これってやはりハマナスと言った日本人の発音と
ハマナシと聞こえてHamma nasiと表記したシーボルトの耳が問題なんでしょうか?
[Res: 2140] Re: 皆さんにお願いがあります。 投稿者:plum 投稿日:2006/02/20(Mon) 21:15 <HOME>
わ~!!見ました!
second rose さんすごい!
これはもうちょっと知りたいです。
スとシの違いでこれだけわくわくできるなんて~

 ついに、方言一辺倒になってきました。私も方言はかなり調べていましたから、そう簡単に答えは出てこないだろうと思っていました。が、しかし出てきますね~。私は終わらせるのに必死です(笑) 

[2136] ハマナスの別名~ 投稿者:のんのん 投稿日:2006/02/19(Sun) 07:36

potatoさん、おはようございます。盛り上がっていますね~、
皆さんの意見を聞いて、急展開にいろいろなことがわかって、楽しいです。

>そんな昔から全国の自生地で、ハマナスあるいはハマナシと同一の呼び方だったかというと、そんなことはありえません。
各地方ではそれぞれの方言で呼んでいたはずです。
そこなんですよね、『植物方言集成』八坂書房、を見てみると、ハマナスの別名は、
きんちゃくぼたん 長野(佐久)、
はいだま 岩手(上閉伊)
はなたちばな 筑紫、
ばら 岩手(盛岡市)秋田(山本、北秋田)、
ばらぼたん 長野(北佐久)
などと出ています。ハマナスに類する言葉がありません。しかも、長野や筑紫に、ハマナスがあるんですね~興味深いですね。
この本には、ハマバラは出ていませんでした。

>それが現在のようなハマナスに統一してしまったのは、いつで誰でしょうか?
それですよね、potatoさん、北海道に「ハマナス」が入ったのは何時頃ですが?、やはり開拓史の時代でオょうか?
それまでは、マウニ、マウチクニ、マウチクス、とか呼ばれていたんですよね。誰がハマナスって広めたかですよね。

>牧野博士も引き合いに出している「秘伝花鏡啓蒙」には「・・・朱色ニシテ形茄子ノ如クナリ故ニ浜茄子ト云エリ」とあるのだそうです。
『秘伝花鏡啓蒙』という本もあるんですね、
形が茄子のようでハマナス、という図式が理解できませんが、その内容は、この前読んだ飯沼慾斎の『草木図説』と一緒です。
秘伝花鏡の引用なんですね~なるほど。
とすると、赤くて扁球系の茄子が、中国にはあるということでしょうかね。

画像は桜鏡

[Res: 2136] Re: ハマナスの別名~ 投稿者:potato 投稿日:2006/02/19(Sun) 09:46
のんのんさん、『植物方言集成』なんて持っているのですか?
ハマナスの別名、面白いです。こういうのがもっとたくさん出てくると、また想像が膨らんでしまうかもしれませんね。

>ハマナスに類する言葉がありません。しかも、長野や筑紫に、ハマナスがあるんですね~興味深いですね。
ひょっとしてハマナスといっている地域は方言として扱われなかった可能性があるのでしょうか?
長野や九州のハマナスは人が持ち込んだ可能性が大ですね。
シーボルトも出島に植えていたくらいですからね。

>北海道に「ハマナス」が入ったのは何時頃ですが?
ご想像の通り倭人が蝦夷地に入植するようになってでしょうね。
北海道は場所によって入植した人たちの地域が違います。
今の伊達市のあたりは仙台藩、北見市あたりは土佐藩といった具合です。
しかし、ハマナスの読み方に変わりはなさそうですから、その時点ではハマナスは全国統一されていた可能性がありますね。

>『秘伝花鏡啓蒙』という本もあるんですね
これは牧野博士の文章に出ていたのでそのまま引用しましたが、その本体を確認したわけではありません。
でも、当時のナスが丸くて小さかった可能性は高いのです。
現在、ナスの接木の台木に使われているアカナスがまさにそのような形で実が赤いのです。
このナスがいつどこから入ってきたのかにも興味があります。
また、アカナス説復活か?
[Res: 2136] Re: ハマナスの別名~ 投稿者:ぴぴん 投稿日:2006/02/19(Sun) 14:15
『植物方言集成』とは! のんのんさんらしいです。

昨日のsecond roseさんの書き込みは、興味深かったです。
「外界認知の枠組みの違い」「文化の境界」「学術用語と一般用語」のことなど、あれこれ考えていました。
なので、(って、何がなのでか、本人しか判らないかもしれませんが)
のんのんさんが『方言』を参考にするのは、面白いなと思いました。

余談ですが、明治期以前に「おかあさん」「おとうさん」という言葉は無かった。(「おっとう・おっかあ」「ととさま・かかさま」「父上・母上」などだった。)
多言語民族だった日本列島に共通語を作るための、造語だった、という話を読んだことがあって、
「ハマナシ」には、そんな時代精神が反映されているような気もしています。

更に余談ですが、
わたしは、ドイツ語(シーボルトの母語)と、スゥエーデン語(ツュンベリの母語)を話すひとに、
「はまなす」と言って、何と書き取るかの実験がしてみたいです。
シーボルトとツュンベリのアルファベット記録が、耳から聞いた音に影響されてないのかな~と思ってます。

ちなみに、英語母語、在日20年のつれあいは、「なす」「なし」を、聞き分けられますが、イントネーションまで違えての発音は、あやしいです。
彼の意見を聞くと、「あの時代の方言もあるし、どう聞いたか、今では判らない」と言ってました。そりゃそうだ。
以上、妄想と余談のぴぴんでした。
[Res: 2136] Re: ハマナスの別名~ 投稿者:potato 投稿日:2006/02/19(Sun) 18:36
ぴぴんさん
ハマナス、ハマナシのことはここまで突っ込んだ話にするつもりはありませんでした。
方言のことは気にはしていましたが実際にそこまでやるかどうかは、難しい問題です。
半端なことはやらないほうがいいし、遣り通すにはかなりの労力は必要です。
仮に古くからハマナシとかハマナスと言っていた方言があったとして、可能性は示唆するけれど決定打にはなりえないと言うこともあると思います。
これはこのままおいておくのが良いかなとも思います。
それよりこの話でも何度も出てきている、ハマナスとマイカイの話に取り組みたいと考えています。
これも、難問です。

>わたしは、ドイツ語(シーボルトの母語)と、スゥエーデン語(ツュンベリの母語)を話すひとに、「はまなす」と言って、何と書き取るかの実験がしてみたいです。

おそらく二人とも日本ではオランダ語を話していたと思います。特にツュンベリーはわざわざオランダ語を覚えてから日本に旅立ったそうです。なので、聞き取りに母国語の影響をあまり強く受けなかったかもしれません。
私はツュンベリーもシーボルトも出島以外での行動を制約されていたので、ハマナスを採集や名前の聞き取りは日本人の弟子がやったのだと思います。
どちらにしても採集場所が東北とは思えないのですけどね。
[Res: 2136] Re: ハマナスの別名~ 投稿者:薄荷 投稿日:2006/02/20(Mon) 20:21
またまた食事の用意をしながらウロウロしにきました。(^^ゞ

>ハマナスを採集や名前の聞き取りは日本人の弟子がやったのだと思います。
>どちらにしても採集場所が東北とは思えないのですけどね。

大場氏の本だったか、ネットかで、シーボルトは緯度が母国に近い北海道や東北の植物にスゴク興味があって、北海道の弟子が採集したと書いてあった記憶がありますよ。絵にしたのは岡山県の津山の人で、採集した人は北海道の人だったような・・・
[Res: 2136] Re: ハマナスの別名~ 投稿者:はるまき 投稿日:2006/02/20(Mon) 20:50 <HOME>
こんばんは (^^)/>薄荷さん

second roseさんが紹介してくださった「シーボルトの21世紀」のページ内に、
「標本の一部は伊藤圭介あるいは水谷助六により採集されている」とありましたよ。
このお二方とも、シーボルトの協力者です。

[Res: 2136] Re: これは? 投稿者:薄荷 投稿日:2006/02/20(Mon) 21:25
さすがはるまきさんです。

本を探してみる前にネットのお気に入りをチェックしたら・・・
津山の洋学者の「宇田川榕菴」と、それから「蝦夷」の文字が分かりやすいようにしておきました。
http://cache.yahoofs.jp/search/cache?p=%E5%AE%87%E7%94%B0%E5%B7%9D%E6%A6%95%E8%8F%B4+%E8%9D%-
A6%E5%A4%B7&ei=UTF-8&u=www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/2000Siebold/05/0500.html&w=%E5%AE%87%E7%-
94%B0%E5%B7%9D+%E6%A6%95+%E8%8F%B4+%E8%9D%A6%E5%A4%B7&d=Ye147G1aMSEA&icp=1&.intl=jp
↓にある「東京大学総合研究博物館」の「刊行物データベース」の「シーボルト日本植物コレクション」の1ページです。
「シーボルトの21世紀」もこちらにあります。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/

2193] まとめレスでご勘弁を 投稿者:potato 投稿日:2006/02/20(Mon) 23:16

plumさん、まこぷーさん
ご承諾ありがとうございます。
ただいま情報過多状態で頭が混乱しておりますので、正確に反応することができません。
お許しを~(^^;

のんのんさん
訂正の件、了解しました。
アップ前にまたお知らせします。

second roseさん
>ヘダンファと発音するようです。
>花に注目どう見ても浜茄子だ。
ここだけは初めてでした。面白いですね。
なるほど朝鮮半島からのアプローチする方法もあるのですね。
後のサイトは知っておりましたが、特に「シーボルトの21世紀」は大変参考になりました。
大場秀章氏の文章はもっときっちり読み込めばよかったですね。
ハマナスがらみのところばかり拾い読みで読み落しがたくさんありました。

シーボルトの標本は知っていました(逆さハマナスも)
でも、上からたくさん紙が貼り付けられていて、その中の一枚だったのでちょっと懐疑的でした。
ついでに川原慶賀の絵を紹介しておきます。こちらにもしっかり「ハマナス」と書かれています。
http://www.maruzen.co.jp/home/irn/book/micro/naiyo.html

薄荷さん、はるまきさん
いろいろご指摘ありがとうございます。
これ以上情報が入ってくると収拾が付かなくなるので、いったん締めたいと思います。
「ハマナス、ハマナシ番外編」が出た後にまたお願いします。

ルゴサな話のほかの話も予定していますので、そちらもよろしく・・・です。


 「シーボルトの21世紀」はすでに読んでいましたし、伊藤圭介や宇田川榕菴がシーボルトと深い関係であることも知っていました。ところが、私はシーボルトが東北や北海道の植物に興味を持っていたことはすっかり見落としていました。second roseさんはこれをヒントについにハマナシの方言を見つけることになるのです。このことは私の掲示板が使用不能に陥っていたため、のんのんさんの掲示板で公表されました。


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