〜春から秋まで〜
2006突硝山

 2003年の「突硝山の春」で夏編を匂わせましたが、その後はなしのつぶてとなってしまいました。野草に興味を失ったわけではなくて、実はその後何度も山へ足を運んで撮影していました。コンテンツにしなかったわけは、思った植物の写真が揃わなかったこと、名前のわからない植物の調べが後回しになってしまって、内容がまとまっていなかったこともありました。そして、何より山を歩く楽しさだけで満足していたこともあります。
 2005年秋、写真もまとまってきたので冬の間にコンテンツにするつもりでいたのですが、PCのトラブルですべての写真データを失ってしまいました。しばらくは虚脱状態でしたが、2006年春から気を取り直し山へと足を運びました。特別なことがない限り週末は山へ出かけました。
 気合を入れたこともあって、そこそこ撮影できたと思います。春は前作と内容がかぶりますが、2006年のシーズンを通して突硝山の魅力をご紹介します。

まずは早春                   5月3日
 4月から行けば残雪から顔を出すカタクリやフクジュソウの姿があったのですが、ちょっとスタートが遅かったようです。カタクリの遊歩道の入り口にあったのがこれ。

キバナノアマナ ユリ科
(黄花の甘菜)
 白い花のアマナ(甘菜)がありますが、その黄色の種類です。北海道にはアマナはないようで、もっぱらこのキバナノアマナです。
キクザキイチゲ キンポウゲ科
(菊咲一華)
 キクのような咲き方をするのでこう呼ばれるようですがキンポウゲ科です。また葉っぱが菊の葉に似ていることもあるかもしれません。
 ひとつの茎に一輪だけ花をつけることからイチリンソウあるいはイチゲと呼ばれます。紫の花をつけるものもあります。
 花びらの数は様々で、これは8枚ですが20枚近くあるものもあります。
さて、このシーズンの花形

エゾエンゴサク ケシ科
(蝦夷延胡策)
 北海道ではもっともポピュラーなエンゴサクです。ここではカタクリに混じって群生しています。花色は明るいブルーから濃いブルー、紫色など微妙に違うところが面白いです。稀に白い花も見かけます。
そしてメーンキャスト

カタクリ ユリ科
(片栗、片籠)
 ピンクの花びらが後ろに反り返る風情が人気の花です。葉には茶色の独特な模様があります。
名前の由来には諸説あるようです。
@葉の模様から「片葉鹿の子」が「カタカゴ」になり、「カタクリ」になった。
Aカタクリの実が栗の実の一片に似ていることからついた、など。

球根からデンプンが取れたことから片栗粉の語源にもなっています。
ご存知早春の代表選手

フクジュソウ キンポウゲ科
(福寿草)
 字から言ってもめでたそうな名前ですね。雪の下から蕾を出すさまは本当によくやった!とほめてやりたい気がします。
 江戸時代は「福告ぐ草」と言ったそうです。ところが語呂が悪いので、長寿の意味でもめでたい「寿」の字に置き換わったようです。花のほうは長寿とはいかず、すぐに終わってしまうのが、この時期の花々の宿命です。
 カタクリとの競演です。
〜春から秋まで〜

スプリング・エフェメラル (Spring ephemeral)
 この時期の花々をよくそう呼びます。直訳すると「春の儚いもの」となるのでしょうか。これらの花々はこの時期いっせいに芽を吹き花を咲かせると数日のうちに散ってしまいます。そして1ヶ月のしないうちに実をつけ種をまき6月頃には地上から姿を消してしまいます。カタクリなどの後に咲くニリンソウやエンレイソウもスプリング・エフェメラルといえるでしょう。よく見るとこれらの花々に盛んに小さな虫たちが花粉を運びに来ているのを見ることが出来ます。
 それではもう少しこのスプリング・エフェメラルたちの競演をご覧ください。 

ザゼンソウ サトイモ科
(座禅草)
 外側の褐色の部分を仏炎包といいます。その中の丸い部分にある小さな黄色の部分がそれぞれ花にあたります。
ナニワズ ジンチョウゲ科
(難波津)
 別名をエゾオニシバリといいます。木の皮が丈夫なことからオニシバリの名がある潅木です。これをナニワズというのは長野の方言だそうです。
夏を待つ
 夏に出番を待つ大型植物たちもひそかに準備を整えているようです。


左:バイケイソウ
左下:オオハナウド
 いずれも6月中旬頃に花を咲かせます。

下:オオウバユリ
 光沢のある葉はやがてもっと巨大になり、7月中頃に花を咲かせます。


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