〜春から秋まで〜
2006突硝山

 前回からずいぶん間が開いてしまいました。季節は秋にさしかかり風もやや冷たくなってきました。この時期、来春に向けてエネルギーを蓄えているのでしょうか、山の中はちょっと寂しくなります。日向の植物たちだけが今年最後の彩りを見せてくれています。

突硝山初秋                    9月23日
 これが突硝山。そんなに大きな山ではありません。木がなかったら丘と言われるかもしれません。紅葉もちらほら見え始めました。
 私がここで紹介している植物は、ここを管理している酒造会社が作った散策路が主体で、それは山のほんの一部の地域です。
 いきなりこんなんですいません。オオハンゴンソウが散った後です。こんな姿もまた秋らしくていいかなと思ってのことです。
 花は黄色の舌状花でが4〜6枚、花の中心部には筒状花があります。
〜春から秋まで〜
 ユキザサの実が赤くなりました。マイヅルソウの実もきれいですがこれもなかなかですね。
 これはおそらくルイヨウボタンの実だと思います。はじめはルイヨウボタンがこのような実を付けるとは思っていませんでしたが、葉っぱがよく似ているので調べたらこのような実がつくことが判明しました。
 花がなくなると野草のシロウトである私はさっぱりわからなくなってしまいます。ルイヨウボタン(類葉牡丹)は葉っぱの特徴から付けられた名前だったので覚えていました。
オオマツヨイグサ   アカバナ科
(大待宵草)
 ひょっとしたらメマツヨイグサかもしれません。マツヨイグサにはいくつか種類があります。江戸期に渡来し背が低いマツヨイグサは南米原産です。以下はすべて北米原産で明治初期にメマツヨイグサ、続いてオオマツヨイグサが明治後期に入りました。オオマツヨイグサはヨーロッパで改良された園芸種だそうです。また浜辺で這うように咲くコマツヨイグサのあります。いずれも園芸用として日本に導入されたものですが帰化植物となりました。よくマツヨイグサに名前を使われる月見草はいちばん歴史が古く江戸初期の渡来だそうです。
サラシナショウマ  キンポウゲ科
(晒菜升麻)

 この山で初めてこれを見ました。いままで秋に来たことがなかったので当然のことではあります。白いブラシのような穂が特徴です。
 「晒菜」は葉を水に晒して食べたところから来ます。現在は食用にすることはあまりないようです。「升麻」は中国から来た生薬名でです。以後このサラシナショウマに似た穂のあるものにショウマの名前がつくようになりました。キンポウゲ科ではイヌショウマやオオバショウマ、ユキノシタ科のアカショウマやトリアシショウマ、バラ科のヤマブキショウマなどです。
 穂は花の集合体ですが、花が咲くと小さな花はすぐに散ってしまいます。残った白い糸状のものはオシベです。
 Dでもお送りしたカンチコウゾリナ。大分分岐が多くなりました。花が終わって綿毛になったものもあります。わりと花期は長いようです。
 秋は山の中は見るべきものがないので山のふもとの様子からお伝えします。

アキノキリンソウ  キク科
(秋の麒麟草)
 花の様子がベンケイソウ科のキリンソウに似ていることからついたと思われます。キリンソウは春咲きですがこちらは秋に咲くのでアキノがついたのではないでしょうか。日本全国に分布しています。
 アワダチソウ(泡立草)の別名があります。ちなみににセイタカアワダチソウやオオアワダチソウも同じアキノキリンソウ属です。
 さて、なんでしょう?道路脇の斜面に咲いていました。花の大きさは3cmくらいはあります。ノギク系は全く弱いのさっぱりです。エゾノコンギクはこんなに花びらはありませんよね。ひょっとしたら園芸種が紛れ込んだ?まさかね。

判明しました。iku19さんが教えてくれました。
おそらくこれだろうということです。

ネバリノギク キク科
(粘野菊).
 これも北米原産、大正年間に日本に導入され帰化植物となりました。
 色はピンクや紫などがあります。茎や葉に腺毛があって粘液を出すためねばねばするのだそうです。
今年も見つけたら、確認してみます。
セイタカアワダチソウ  キク科
(背高泡立草)
 穂先がとんがっているのでセイタカアワダチソウです。線路脇のようにそれほどたくさんはありません。どんな荒地でも咲いているたくましい植物です。
 北米原産で元々は園芸用に導入されたものです。現在は園芸用として使われることはほとんどありません。

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ゲンノショウコ  フウロソウ科
(現の証拠)
 山に上がる道の脇で見つけました。この山でゲンノショウコを見つけたのは初めてです。
 名前は、下痢止めの薬として薬効が速やかだったことから、と言う理由のようです。花色は赤と白がありますが、西日本で赤花、東日本で白花が自生しています。

下の写真はpotato庭の赤花です。
イヌタデ タデ科
(犬蓼)
 うちの庭でもよく生えてくる厄介者。でもこれだけたくさんあるとそれなりに見ごたえがあります。
 名前の「イヌ」は偽のという意味で他の植物にも使われています。本家のタデはイヌタデに対してホンタデとかマタデとか言われますが、正式名称はヤナギタデです。
キンエノコロ  イネ科
(金狗尾)

 花序にある毛が金色なのでこの名がつきました。「狗尾」はイヌの尾の意味でこれをエノコロと呼ぶのは「いぬころ」が変化したものだそうです。
 エノコログサは夕日を背景に見ると本当に美しいですよ。
 秋を撮ったのはこの日だけです。本当ならもっと夏から秋にかけてもっと多くの花や実をお見せ出来たかもしれません。最後になって私の山の植物に対する気持ちが弱くなったのかもしれません。写真を見ながら反省しきりです。来年もまたここに通うつもりです。新しいものを見つけたらまた別な形で披露することにします。それまでお楽しみに。


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陽の光が心なしか弱まってきました。
アキノエノコログサ 
(秋の狗尾草) イネ科

 「猫じゃらし」の名で知られるエノコログサの仲間です。エノコログサより花期が遅く秋に咲くのでこの名前になりました。エノコログサより背が高く穂が垂れるのが特徴です。
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