千葉・東京バラツアー

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2004年5月21日〜23日


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京成バラ園2日目(2004.5.22)                  2004.9.12UP

 翌日、昨日から一転どんよりと曇っています。今にも雨が落ちてきそう。北海道からやってきた我々にとっても寒いと感じる気温です。後で知ったことですが、この日佐倉市は最高気温が12℃にも満たなかったようです。さて道のりですが、京成ユーカリヶ丘駅からタクシーに乗り10分ほどでアルバへつきました。アルバは周囲には何もない畑の中にありました。
 このバラ園は特定非営利活動法人(NPO)バラ文化研究所の付属バラ園として開園されたものです。他のバラ園のように広大な面積があるわけではないし、同じバラを何十本も固めて植えてあったりするわけでもありません。しかし、系統別にエリアを区切って、それぞれのバラの特徴をよく生かした仕立て方をしていてなかなか見応えがありました。植えられているのはほとんど原種とオールドローズです。特に滅多に見られない珍しい原種バラが見られるのが、なかなか興奮ものでした。故鈴木省三氏はこのバラ園をこよなく愛したと言われています。彼の死後、彼の庭にあった原種やその他のバラもこのバラ園に移されたと聞いています。入り口のすぐ左には故鈴木省三氏作出バラのコーナーがありました。 


 バラ園入り口のアーチ。
京成バラ園のページでも書きましたが、私はひとつひとつのバラの撮影に夢中になり、庭園の様子を写した写真を撮り忘れてしまいます。この日も例に漏れずこのように引いた写真は3枚ほどしか撮っていません。今となっては後の祭り、その代わりアップのバラをたくさんお見せしましょう。
 え?アーチのしたに立っている人は誰かって・・・まあまあ(^^;



 ハイブリッドムスクのフェリシア
あまり見事だったものでまず最初に撮りました。こういう曇りの日は難しい空が入った写真は大変で。、背景に露出が食われると思って露出を上げたら花が飛んでしまいました。アップ写真は曇りの方がよいのですがね。。


 このバラは原種でもオールドローズでもありません。鈴木省三氏作出の花房(F)です。
 実を言うと私の所に名前が不明のバラがあってもう3年ほどそのバラを探し続けていました。そして、ついに鈴木省三コーナーでこれを見つけました。間違いない。


 さて、ここからオールドローズの代表的なバラをいくつか紹介しましよう。
 これはロサ・ダマスケナ(Rosa damascena)、ダマスクローズの基本種です。ダマスク香で代表される芳香種です。名前は現在のシリア、ダマスカスに由来します。


紫玉
 日本で作られたガリカローズで、その素性はよくわかっていません。明治頃から栽培されていたようです。明るい紫紅色で花弁は150枚ほどのポンポン咲きとなります。


ロサ・ケンティフォリア(Rosa centifolia)
 ケンティフォリアの基本種です。centiは「100枚の」と言う意味のようです。名の通りたくさんの花弁を持ち別名をキャベッジローズといいます。もう少し開くと花弁はカップ状になります。ダマスケナの流れを汲んで強い芳香種です。


フェレンバーグ(Fellemberg)
 これが代表的なチャイナとは言えませんが、チャイナ的な感じは十分にします。背が低く花弁の開き方も不揃いなところがそんな感じです。
 チャイナの代表種は次ページの神代植物公園で紹介します。


ロサ・アルバ・マキシマ(Rosa alba maxima)
 セミプレナとともにアルバローズの基本種。
ホワイト・ローズ・オブ・ヨークの別名を持ちます。
つぼみは若干ピンクっぽいが開くと白くなります。アルバは伸びるので、ほぼつるばらと同じ扱いになるようです。人気は半八重のセミプレナに取られがちか?


 これは何と言ったらいいのでしょうか、あずまやではないし、やはりゲートということでしょうか。何ともこの風情がたまらない。閉園するのならもらって帰りたいところですが、我が庭に置くとボロさ加減で母屋といい勝負かも(笑)


さてここから原種を紹介します。

ロサ・キナモメア(Rosa cinnamomea)
 花びらは紫を含んだピンクで中心に行くほど濃くなっています。名前は枝が直立して伸び紫褐色でシナモンに似ているところからついたようです。シナモン・ローズの別名があります。キナモメア節


ヤマイバラ(Rosa sambucina)
 日本原産のイバラで花びらの間に隙間があり形もおもしろい。花芯の赤がチャームポイントになっています。
学名のsambucinaはニワトコの意味で花がニワトコに似ているからという事のようです。でもそうかな?真ん中の赤いポイントは似ているけど。
 今気がつきましたが、アルバには日本のイバラ類の数はあまり多くなかったような気がします。むしろ京成バラ園の方が多いかもしれません。でも、京成にこのヤマイバラはなかったようです。  シンステラ節


ロサ・パルストリス(Rosa palustris)
 つぼみを覆う萼が長いのが特徴。北アメリカ北部原産で湿地や沼地に自生するそうです。私が持っているロサ・ヴィルギニアナとつぼみや葉の形や花もよく似ています。同じカロリーナ節なので当然ということでしょうか。


 ここからは原種交雑種(HSp)です。
ハリソンズ・イエロー(Harison's Yellow)HFt
 ロサ・フォティダ・ペルシアーナ(ペルシャンイエロー)にロサ・スピノシッシマが交雑されたもの。ペルシャンイエローの匂いを嗅いでしまった私としては、このバラの匂いを確かめたかったと、今にして思います。この時は撮影に熱中していて気がつかなかったのです。アホじゃ。


ソレイユ・ドール(Soleil d'Or)HFt
 ロサ・フェティダ・ペルシアーナにハイブリーッド・ペーパチュアルの交配を繰り返して生まれたものだということです。花形はこちらの方がペルシャンイエローに近いと思います。このバラが後にモダンローズの黄色種の基本種となりました。


ダナエ(Danaë)HMsk
 この花色が気に入りました。ハイブリッド・ムスクとしてはそんなに花は大きな方ではありません。花は最初アプリコット・イエローから黄色、白へと変化していきます。棘もほとんどないそうです。名前はギリシャ神話に出てくる美女の名ということです。


 さて、もっともお目当てだったハイブリッドルゴサです。
コンラッド・フェルディナンド・マイヤー
(Conrad Ferdinand Meyer)HRg
 とてもルゴサとは思えないような花の形。開きかけは花びらの先からめくれるようになっていて、ラ・フランスに似ています。開くとオールドローズの風情があります。香りも強いようです。名前はスイスの小説家、抒情詩人にちなんでいます。


マックス・グラフ(Max Graf)HRg
 本当はハイブリッド・ルゴサは「あんたがたルゴサ」に入れるつもりなので被ってしまうのだけれど、まあいいやということで、もうひとつ。
 花はちょっとくしゃくしゃでハマナスの面影を残します。樹形はもうひとつの交配親のテリハノイバラに似て地を這うように伸びていました。
 作出者のコルデス(ドイツ)はこのマックスグラフを使って数々のHRgを生み出し、コルデジーというジャンルを作り出しています。


 最後におまけをひとつ、
このバラ園で不明というタグを見つけました。数々のバラ本を出し世界のバラを集めているこのバラ文化研究所のバラ園で、この文字を見るとは思いませんでした。びっくりしたと同時にちょっと笑えました。
 このバラの名前わかる人、てーあげれ!



さらば、アルバ・・・(駄洒落でないって^^;)


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