千葉・東京バラツアー

PARTV

2004年5月21日〜23日

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京成バラ園3日目(2004.5.23)                        2004.9.12UP

 3日目もどんよりとした曇りでした。前日ほど寒くはありませんが、今にも雨が落ちてきそうです。
早朝に宿を出てハンバーガーの朝食をとり、中央線に乗り込みました。吉祥寺駅からバスで20分くらいで神代植物公園前に到着しました。2003年9月に来たときは、モダンローズは剪定後で花はなく、原種、オールドローズ園でバラの実を楽しんできました。今年は花の時期に合わせてやってきたというわけです。お天気だけが気がかりでした。


バラ園の全景です。
目的の原種オールドローズ園はこの写真の右端の更に奥で写っていません。奥に見えるのが大温室です。公園自体は更に広大な面積を有しています。
 撮影は当然、原種オールドローズから始まりました。


 ここが、原種、オールドローズのコーナーです。真ん中の通路を挟んでエリアが区分されています。ここはひとつひとつのバラに丁寧な解説文がついています。そこで、以下に紹介する原種とオールドローズについては、その解説板に記載されている名称と解説文をそのまま載せることにします。追記の必要があればその下につけ加えることにします。


 まずは日本に自生する野バラ達を紹介します。

フジイバラ(Rosa fujisanensis)
枝はよく分岐し、他物によりかかるようにのびる。花は白色で、花弁の先は凹みハート型になる。富士・箱根地方を中心とした山地に多い。初夏咲き。日本原産。原種(Sp) バラ科シンステラ節
 花は、見たところノイバラとほとんど見分けがつきません。特徴は枝が堅く節ごとに屈曲して四方八方に伸びるということで、その辺がノイバラと違うところかもしれません。


ヤブイバラ(Rosa onoei)
別名ニオイイバラ 花は小さく一重咲きで芳香がある。花弁は先の凹んだ到卵形。2〜3個の花を枝先につける。初夏咲き。半日陰にも耐える強健な種。日本原産。
原種(Sp) バラ科シンステラ節
 葉先が細くとんがっているのが特徴かも。ニオイイバラと言うほど匂わないとは野村和子女史の言であります。
 みたところウドンコに弱そうだ。


ツクシイバラ(Rosa multiflora var.adenochaeta)
ノイバラ(R.multiflora)に似るが、花色が淡紅色で花弁基部は白い。花はノイバラより大きい。遅い初夏咲き。中国中西部、アジア東北部に分布する。
原種(Sp) バラ科シンステラ節

 ノイバラの変種。日本では九州南部に自生しているそうです。


 ここ神代にはたくさんのキネンシスがありました。どれも代表的なものばかりなので、どれを選ぼうか迷っているうちに、ええい!全部載せちゃえ、ということになりました。
 もともとキネンシスにはたくさんの種類があります。それらが本当に自然発生的に生まれたもなのか、あるいは人の手が関与しているのか、謎の多い一群だと私は思っています。


コウシンバラ(Rosa Chinensis)
別名 月季花、長春花、花は深紅色で八重または二重咲。野生種は一重咲き。香辛料の香りがする。四季咲き性で、ガリカ(Gallica)系のバラと交雑され現代の四季咲きバラの親となった。中国原産。
原種(SP)  バラ科 インディカ節

 私には本来の意味での原種、Rosa chinennsisは本当に存在しているのだろうかとの疑問があります。上記の一重の野生種とはRosa chinensis spontaneaのことだろうと思います。しかし、スポンタネアは一季咲きです。それがいつどのようにして四季咲き性をもったコウシンバラ(Chinensis)になったのか、それは本当にこのバラなのかという疑問です。


ロサ・キネンシス・メイジャー(Rosa Chinensis major)
ロサ・キネンシス(Rosa Chinensis)の1種。株は半つる性となる。花は四季咲き性で、花は濃紅色の半八重咲で香辛料の香りがする。半日陰や、やせた土地にも耐える丈夫な種。
原種(Sp)   バラ科 インディカ節

 メイジャー(major)とはキネンシスだけに用いられる用語のようで、半つる性のタイプを指しています。それに対してブッシュタイプで背の小さい物をマイナー(minor)と言うようです。


ロサ・キネンシス・アルバ(Rosa chinensis alba)
別名 Rosa chinensis major alba.和名 白長春。
ロサ・キネンシス・マジョラー(Rosa chinensis major)の白花種。花は半八重咲。花色は始めは中心が淡いピンクだが開花につれて全体が白くなる。四季咲性。原種(Sp) バラ科 インディカ節

*マジョラーはそのまま写したが、メイジャーの間違いではなかろうか。


オールド・ブラッシュ(Rosa chinensis 'Old Blush')
中国で10世紀ころから栽培されていたコウシンバラの一品種。花は盃状の八重咲きで、色は銀色がかったピンク。ヨーロッパに最初に紹介された四季咲き性のバラ。
原種交雑種(Ch)  バラ科 インディカ節

 中国で月季花、長春花として栽培されていたのはこのオールドブラッシュだったと、鈴木省三氏は「ばら花図譜」の中で書いています。パーソンズ・ピンク・チャイナ(Person's Pink China)の別名があります。


センパフローレンスRosa chinensis 'semperflorens')
樹高は1mほどの低いブッシュ状になり、茎には平たい刺が疎らに生える。花は半八重咲きで深紅色、後に紅色に変わる。 春から秋にかけて咲く。
原種交雑種(Ch) バラ科インディカ節

 スレイダーズ・クリムソン・チャイナ(Slater's Crimson China)の別名があります。ヨーロッパに最初に渡った4種の中国バラのうちのひとつ。その4種の中では最も赤いバラです。


シングル・ピンク・チャイナ(Rosa chinennsis 'Single Pink')
「一重のコウシンバラ」といわれる。花は一重でピンク色。後に退色するが、散り際にまた色が濃くなる。キネンシス(Chinensis)独特の甘い香りがある。四季咲き性。
原種交雑種(Ch)  バラ科 インディカ節


ロサ・キネンシス・ミニマ(Rosa chinensis minima)
英名 Fairy Rose.花は柔らかいピンク、白、赤など。八重または一重咲。春から夏に咲く。高さ30cmほどの矮性種で刺は少ない。現代のミニチュアローズ(Min.)の親となった種。中国原産。
原種(Sp)   バラ科 インディカ節


 京成やアルバにもキネンシスはあったのですが、ここは神代に任せることにしました。神代にないキネンシスは、京成にビリディフローラ、ヘルモーサがありましたが、ここで載せるわけにはいきません。
 ところで、もうひとつ中国を起源とするバラのティーローズは、どのバラ園でもほとんど見見かけることはありませんでした。なぜなのでしょう。ここ、神代でもレディー・ヒンドリンがあるだけでした。
 最初に中国からヨーロッパに紹介された4種のうち2種は上に掲載したキネンシスですが、残りは、ティーローズの祖となったヒュームズ・ブラッシュ・ティー・センテッド・チャイナとパークス・イエロー・ティー・センテッド・チャイナの2種です。少なくともそれだけは見たいと思いました。

 さて、これ以降はモダンローズです。ただ適当に選んで載せるだけではつまりません。写真をチェックしながら、変わった名前のバラをいくつかみつけたので、それを紹介したいと思います。


ゴールデン・スリッパーズ
(Golden Slippers)  F 1961 アメリカ

 直訳すると「黄金のスリッパ」ということになります。トイレではくあのスリッパです。普通バラにスリッパと名付けるか〜(^^; しかも花は黄金じゃないときてる。どうなってるんだ?

(その後知ったことですが、この名前は歌の
 タイトルかもしれません。歌ってみたい方は
 こちらからどうぞ)


タマンゴ(Tamango) F 1967 フランス

 最初、マタンゴ??と思ったのですが、よく見るとタマンゴです。それでも???な名前なので調べてみました。最初、翻訳サイトで各国いろいろやってみたのですが訳せません。そこでダイレクトに検索してみましたがなかなかそれらしきものは出てきません。
 わずかに可能性があるのを見つけました。タンゴのダンス用語でスペイン語。ただ、ダンス用語は俗語が多く使われているので、辞書などに載っていないことが多いということです。Tamangoは靴の意味だそうです。赤いタマンゴ(靴)ということなのかな?


タランガ(Taranga) F  1981 ドイツ

 またもや赤いバラに似たような名前が出てきたぞ、と同じような手順で調べましたが、これもなかなか難しい。インドの音楽に関係しているか、はたまたインドの寺院の名前か、それともマウイ島の物語に出てくる人物名か?あるいは全く見当はずれかもしれません(^^;)


これで、千葉、東京バラツアーはお終いですが、せっかくですから大温室も覗いてみましょう。


 さて、大温室のそばまでやってきたらこんな物が・・・今にも発射しそうです。こ、これは何かで見たことがあるぞ!そうだ、これはエキウムじゃありませんか!実物を見るのは初めてです。そばまで近寄れそうなので、しっかり接近して見てきました。


 温室の中です。一度は見てみたいと思っていたヒスイカズラです。
かなり高いところにありました。ズームを目一杯伸ばして手持ちのままで撮りました。デジカメでなければできない技でした。


 温室の中になんと、池がありました。というかプールがありました。そこには色とりどりのスイレンが咲いていました。


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