毎週のように来ても様相が一変しているのには本当に驚かされます。あれから(前回の5月13日)2週間が経ちました。またもや山はその様相を大きく変えていました。次週の6月3日も来ましたがほぼ同じ内容なので2週合体して報告します。
この時期の植物は以前の私にとって馴染みのないものばかりでした。懸命に調べてはみるものの未だに名前すらわからないものもあります。だからこそ、のめりこみそうにもなりますし名前やその由来がわかると、カタクリなどのように誰もが知っている植物より更に親近感が増します。
地味な植物たち、しかしここからが本番 5月27日、6月3日 | |
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2週間前は枯れ木でしたが、見事に新緑となりました。 春は本当に自然の不思議さを感じさせてくれます。 |
最初に迎えてくれる植物も毎回変わります。この度はスミレでした。 タチツボスミレの一種だとは思うのですが、正確な名前までは特定できません。 これはアイヌタチツボスミレではないかとiku19さんが教えてくれました。 |
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ダイコンソウ バラ科 (大根草) ダイコンというからにはアブラナ科と思いきやバラ科です(なぜだ〜!) それもそのはず、花が全く違います。大根の花は4弁で、花色はほとんど白く花弁の先が淡い紫です。 |
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では、なぜダイコンの名を名乗っているかというと、単に葉っぱが大根に似ているという安易な理由のようです。 |
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さあどんどんわからない植物が出てきます。私はこれを今年初めて見ました。 クルマバツクバネソウ ユリ科 (車葉衝羽根草) ツクバネソウは茎の先につく葉が4枚であるのに対してクルマバツクバネソウは6〜8枚の葉が輪生します。 ツクバネ(衝羽根)とは羽子板でつく羽根のことで実と花びらがつくる姿がよく似ていることからきています。 |
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斜め上に突き出している細いのが雄しべで8本あります。雌しべはすでになくなってしまって黒い実が出来ています。緑の四方に伸びるガクみたいなのが花びらで、さらに細く下向きに垂れているのも花びらなのだそうです。 もう少しすると実が大きくなり雄しべが消えて花びらが後ろに反り返ると羽子板の羽根そっくりになります。 |
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クルマついでに クルマバソウ アカネ科 (車葉草) これも葉が輪生しているところからクルマの名があります。上のクルマバツクバネソウに比べると小さな植物です。花は白い4枚の花弁で非常に小さく、ひとつの茎から5〜10個の花をつけます。 花のアップがうまく撮れていなかったので、こちらをご覧ください。 |
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花は小さいですが群生するので一斉に咲くとそれなりに見ごたえはあります。 |
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群生するといえばこれ マイヅルソウ ユリ科 (舞鶴草) これもまことに小さな植物だが小さくて可憐な白い花をつける。マイヅルソウの名は牧野富太郎説によると白い花が鶴の首で葉のうねり具合が鶴が舞っている姿に似ているからであろうということです。 |
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ヒトリシズカ センリョウ科 (一人静) 名前からすると一人で静かに咲いていそうなものですが、集団で賑々しく咲いているのがネーミングとギャップがあるところです。シズカが静御前のことだとするとその美的イメージからギャップを生じます。 |
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葉は茎の先に4枚輪生します。その上にコップブラシのような花がつきます。この花に花弁はなく、白い糸状のものは花びらではなく雄しべです。 |
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どうですか?舞っているように見えますか? それにしても、クルマバソウやこのマイヅルソウ、ヒトリシズカなど同じ山の同じようなところに群生する植物がうまく場所を分けているのには感心してしまいます。その年によって勢力図が変わるということはあるようですがね。 |
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マイヅルソウは夏の終わり頃になると美しい実をつけます。秋になるとこれがさらに赤くなって何ともいわれぬ美しさです。まるで宝石のようです。 この実は我が家の庭のものです。 |
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背が低いといえばこれ、 フデリンドウ リンドウ科 (筆竜胆) リンドウといえば秋と相場は決まっていそうですが、春に咲くものが3種あります。それはハルリンドウ、コケリンドウ、そしてフデリンドウです。いずれも小型のリンドウで見分けが難しいそうです。 見分けですが、まずコケリンドウは北海道にはいないようです。ハルリンドウにはロゼット状の根生葉があるかれどフデリンドウにはありません。また葉の形がハルリンドウがすらっと細いのに対してフデリンドウはずんぐりしています。 |
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真横から撮影・・・ローアングル用の三脚を買ったばかり。初めて持って出かけたところ絶好の被写体に出会いました。 |
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スミレをもうひとつ 本当にスミレはわかりません。 ひょっとして頭になにもつかずの スミレというやつでしょうか? |
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上のに比べて濃い紫です。 |
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ユキザサ ユリ科 (雪笹) 斜めに立ち上がる茎に笹のような葉、先端に小さくて白い花をたくさん咲かせます。 |
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花は真っ白で雪の結晶のようです。 |
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アマドコロ ユリ科 (甘野老) 斜めに延びた茎に笹のような葉が対になっているところはユキザサと似ていますが、こちらのほうが断然大きいです。茎からは細長い釣鐘型の花がぶら下がっています。 名前の由来はヤマイモのトコロ(野老)と根が似ていて食べると甘いことから来ています。 |
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シャク セリ科 (杓) 傘状に白い花をつけるセリ科特有の姿です。小さな5弁の花が固まって咲きます。比較的大型で丈は1mほどになります。 |
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この突硝山にはもうひとつ大型のセリ科植物があります。それがこのオオハナウドです。背丈は1.5mから2mにもなります。正式には夏編で紹介します。この時点では左のようにまだ咲くところまでいっていません。 |
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さてこれはヘビイチゴ系の花ですが、よく似たのがいくつかあるんで確信のある答えを出すことが出来ないのですが、私はミツバツチグリ(三葉土栗). バラ科、ではないかと思っています。 要点は葉が三枚葉であること、実が付いている気配がないことなどからです。この時期に咲くよく似た植物ではヘビイチゴ、オヘビイチゴ、キジムシロなどです。 |
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コンロンソウ アブラナ科 (崑崙草) 白い4枚の花弁、葉は細長く尖っていてノコギリ葉です。3から5枚の小葉からなります。いくつにも枝分かれしてたくさんの花を咲かせます。 花後には棒状の実をつけます。 |
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背丈は30cm〜50cm位かな。 名前の由来は白い花が崑崙山脈の雪にたとえられたとか、江戸時代の書物にある伝説の国、崑崙国の住む崑崙坊からきているなどの説があります。 |
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黄色の4枚花弁で葉は菊のような形をしています。形態的にはアブラナ科を疑っているのですが、見つからないので違うのかな? ひょっとして クサノオウ ケシ科 (瘡の王) 確かにこの葉っぱはケシの葉に似てなくもないですね。アブラナ科で見つからない説明もつく。 |
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瘡の王の「瘡」(クサ)とは皮膚病のことで、その薬となったことからついた名だそうです。 |
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山に登る道端に咲いていました。見たところ菜の花によく似ているのでアブラナ科で間違いないところです。 それじゃ何かというと困ってしまいます。 |
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調べてみた範囲ではハルザキヤマガラシ(別名:セイヨウヤマガラシ)が一番濃厚ですね。国道脇の道端などに大群落を作っているやつだそうです。セイヨウカラシナかセイヨウアブラナの可能性もありそうですいずれも帰化植物のようです。 葉が写っている所をアップです↓ |
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春の大雪山 |
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ネコノメソウ ユキノシタ科 (猫の目草) 「猫の目」の由来は実が熟して割れると中から黒い種が見えてちょうど猫の目のようになることからついたようです。猫の目になったところはこちらをどうぞ。 |
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比較的湿ったところが好きのようですね。雨水が流れるような低いところに帯状に群生していました。 |
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さて、この辺で名前のわからない植物をご覧いただきます。私の持っている図鑑に出ていないだけのことなのですが、とりあえず掲載して誰かに教えてもらおうという魂胆もあります。もちろんじっくり時間をかけて調べるつもりではいます。
後から追加です ルイヨウボタン メギ科 (類葉牡丹) 漢字を見ればわかるように、葉っぱが牡丹に似ているという名前です。よく見ればボタンとは違うことが分かります。 思うに野草は何かに似ているという類の命名が多すぎるような気がしますね。 |
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薄緑色で6弁の花ですが、これはガクが変化したものです。中央に円く並んでいるのが本当の花びらがあり黄色の細いのがオシベです。 華やかなところはありませんが、花も葉も美しい緑でバランスも整っています。 |
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これはぜんぜんわかりません、何の仲間でしょう? 名前が判明しました。 エゾスズラン ラン科 (蝦夷鈴蘭) スズランはユリ科ですが花のつき具合からスズランの名をいただいたようです。全国の高地に分布しているようで、アオスズランと呼ぶ方が一般的かもしれませんが、北海道ではあえてエゾスズランでいきたいと思います。 |
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